白い修道服をお召しになって武田教子様は同期生とご一緒に佐保会館にいらっしゃいました。いろいろな経験をされた先輩方に私たちはいっときの緊張を感じておりました。でも講演が始まるとその優しさ、そして楽しいユーモアに思わずひきこまれていました。北海道旭川でお生まれになり、お父様のお仕事の関係でお引越しの連続で女高師保母科に。クラスメートの美しい弾き歌いのメロディーに惹かれてカトリック教会と出会い、修道院に入ることに。

　修道院に入ってすべての大陸を訪れられました。小さいときから転々としたことで、人への信頼、神への信頼を学んだと言われます。「人はみな違う。非常に違う。しかし同じだ。」という結論に達しられました。そして「すべては恵みです。」とおっしゃいました「殺人も強盗もしていないなら、これは恵みです。勉強することが出来たのも恵みです。脳と手足が働くことができたなら、恵みです。

　もっと信頼と愛情が溢れる社会になるように私たちは何ができるでしょうか？高校を卒業していく生徒たちを『いいお母さんになってね。』と祈りながら見送っています。」と武田様は締めくくられました。 他支部からの参加も含め35名がお話をお聞きすることができました。参加者の感想を一つ紹介しておきます。「武田先生のやさしいお顔やお声、たたずまい、春の光の中でやわらかい心温まるひとときをありがとうございました。心が豊かになりました。」

　参加者に書いていただいた感想文は佐保会報に掲載しました。武田様にもお送りして喜んでいただいたことを申し添えます。

矢鋪　眞澄（大17）